トップページ > 大学の技術・ノウハウ > 動作の力強さと繊細さを両立し“人の手作業”を実現する 空電ハイブリッドアクチュエータ
資料 | |
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組織名 | 株式会社ソラリス(中央大学発ベンチャー) |
技術分野 | ものづくり |
概要 |
人間は、重いものを持ち上げたり運んだりできると共に、バリ取りや研磨などの繊細な作業も行えますが、従来のアクチュエータ(駆動装置)では,このような動作は両立できず、どちらかに特化したロボットとなっていました。研究者らは、空気の圧力による力強さと、電磁気力による俊敏さを兼ね備えた、小型の直動アクチュエータを開発しました。これにより、力加減を細かく,広い範囲で(力が0の状態から空圧の最大力まで)変えることができ、人の筋のような柔らかさ、俊敏さ、パワーを兼ね備えた性能を発揮することができます。本技術にご興味のある企業を歓迎します。 |
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【簡略図】
【背景】
人間は、重いものを持ち上げたり運んだりできると共に、赤ちゃんを優しくあやしたりすることもできますが、現在ロボットにはこのような広範囲の出力と、繊細さを兼ね備えた動きは実現できていません。製造の現場での繊細な作業を要するバリ取りや研磨などの高度技術を要する作業、また、リハビリテーションでの患者の状態に合わせた補助や体制を支えるなど力を要する作業など、未だにロボット化できず、人にしかできない作業が多く存在するのはそのためです。これらの作業をロボット化するためには、人間の筋肉のように幅広い出力と俊敏性、また繊細な制御を両立できる動力源が必要とされています。
【技術内容】
■人の手作業を実現する空電ハイブリッドアクチュエータとは
空気の圧力による力強さと、電磁気力による俊敏さを兼ね備えた、小型の直動アクチュエータを開発しました。これにより、バックドライバビリティによる柔軟さ、しなやかさと共に、高い出力と高速な応答を実現できます。 従来のハイブリッドアクチュエータは、構造が複雑であるという課題がありました。研究者らは、ロボットに搭載して簡単に利用できるように、可能限り複雑さを排し、ユニット化を実現しました。
■出力と応答性の両立
空気の圧力による高出力と、電磁気力による起動時の応答性や定常時の安定性を、一体の機構で実現しています。これらの出力特性と周波数特性が異なる2つのアクチュエータを組み合わせることにより、一つの動力では難しい、高出力と高応答性を両立しています。
■精密な制御力
起動時や定常時の外乱に対し、空気圧駆動だけでは高い応答性は実現できません。本技術は電磁気力により、起動時や外乱に対する応答を高め、精密な力制御と位置決めを実現しています。
■外力に対する柔軟さ
広い範囲において、位置や速度に寄らず、一定の出力を実現できるため、外力に対してのインピーダンスを低くすることができます。バリ取りや磨きなどの、精密な力加減が必要な作業に応用できます。
■小型の直動構造
通常、複数のアクチュエータを組み合わせると、大型で堅牢性が低くなってしまいますが、本空電ハイブリッドアクチュエータは、空気圧の空間と電磁相互作用を出力軸へ伝達する要素を一体化する独自の構造を実現し、小型の直動アクチュエータとなっています。
【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
ソリューションアームの先端素材で、ロボットアームによる対応を比較したものです。
本空電ハイブリッドアクチュエータは、空気圧と電磁力の要素が一体となった直動型アクチュエータです。そのため、小型化が可能で、様々な装置に組み込み、応用することができます。不確実性を許容し、ちょうどよい押付力を実現するロボット用駆動装置です。
【連携企業のイメージ】
・産業用ロボットメーカー
・生活支援ロボットメーカー
・リハビリテーション,医療従事者向け装置のメーカー
・人が装着する災害救助ロボットの開発メーカー
・健康機器メーカー
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
・高度技能技術者などの人の手作業のロボット化
・人に優しく触れることができ、且つ必要な時にはしっかり姿勢を支えることができる生活支援ロボット
・がれき除去や人の搬送を行う災害用ロボット
・やさしいマッサージからしっかり押し込む動作を実現したマッサージ機器
・柔軟性と高位置決め精度が要求される手術ロボットや液晶パネルの搬送装置
【技術・ノウハウの活用の流れ】
本技術にご興味があればお気軽にお問合せください。
詳しい研究紹介を含め、連携に向けご面談等のアレンジが可能です。
【専門用語の解説】
・空気圧アクチュエータ
高圧の空気圧力により機械的な駆動するアクチュエータ、直動するものが空気圧シリンダー。
・電磁アクチュエータ
電磁気力を駆動源とするもの。電磁アクチュエータの内部にあるコイルに電気を流すことで、動作させる。空圧や油圧で動くアクチュエータよりも動作が早いことが特徴。
・バックドライバビリティ
アクチュエータや動力伝達機構において,出力軸側に外力を加えると、駆動系が動作し、入力軸側に伝わる現象。
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